2005年度破産法講義10-civilpro.law.kansai.ppt
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T. Kurita 2005年度破産法講義10 関西大学法学部教授 栗田 隆 破産法講義 第10回 財団債権 財団債権 破産管財人が破産財団を管理?換価して破産債権者に配当する過程で生ずる費用に係る相手方の債権を中心として、一定範囲の債権が財団債権と呼ばれ、特別に優遇されている。 破産手続によらないで破産財団から随時弁済を受ける(2条7項)。 破産債権に優先する(151条) 随時弁済の原則(2条7項) 破産債権のような届出?確定手続を経る必要はない。 但し、100万円を超えるものについては、監査委員の同意が必要である(78条2項13号?3項1号?規則25条)。 財団債権を定める規定 財団債権の主要なものは148条?149条?150条に列挙されている。その他のものに、次のものがある。 42条4項?44条3項?45条3項 54条2項?55条2項?56条2項 132条 144条 168条1項2号?2項1号?2項3号 1号(共同の利益のための裁判上の費用) 次のものがこれに該当する。 破産申立ての手数料、書類の作成?提出費用 破産手続の進行に必要な各種公告等の費用 債権者集会や一般の債権調査のための費用 次のものは、これに該当しない。 却下された破産申立費用 各債権者の破産手続参加費用(97条7号) 債権調査の特別期日の費用(119条3項?122条2項) 2号(管理?換価?配当の費用) 次のものがこれ該当する。 管財人や監査委員の報酬 換価費用(買主を見つけるための広告費用、契約書作成費用など) 財産目録作成費用 配当に関する公告?通知費用 次のものはこれに属さない。 従業員の解雇に伴う退職金債権(149条2項参照) 3号(租税等の請求権(97条4号)) 破産手続開始前の原因に基づく租税債権 破産手続開始前に自力執行の可能な期間が1年以下であったものは、財団債権。 その他は、破産債権 手続開始後に原因あるのものは、 148条1項2号に該当するものは財団債権 その他のものは、劣後的破産債権(97条4号) 3号(租税等の請求権)(2) 国税徴収法の例により徴収することのできる請求権として、例えば次のものがある。 各種地方税(地方税法48条1項?68条6項?331条6項) 地方自治法224条以下の分担金?使用料等(地方自治法231条の3第3項) 各種社会保険料(健康保険法11条の2第1項、厚生年金保険法86条5項等) 4号(破産財団に関し破産管財人の行為により生じた請求権) 破産管財人が破産財団に関してなした行為により相手方に生ずる債権も、破産財団から優先的に弁済されるのでなければ、破産管財人との取引行為が回避され、手続の円滑な進行が期待できない。 破産財団の管理?換価に関連して破産管財人がなした不法行為による債権も、破産債権者が共同して負担すべきものとして、4号に含まれる。 最高裁昭和43年6月13日民集22巻6号1149頁 5号(事務管理?不当利得により生じた請求権) いずれも、破産手続開始後に生じたものに限られる。 破産手続開始前に破産者に対して生じた不当利得返還請求権は、破産債権である。 最判昭和43?12?12民集22-13-2943 6号(委任終了?代理権消滅後の急迫事情の事務処理に関して生じた請求権) この債権も、それを財団債権とすることにより破産財団の維持?管理がよりよくなされることになるので、破産手続の円滑な追行に必要な債権として財団債権となる。 破産手続開始後の行為により生じた請求権に限られる。 7号(双方未履行契約について履行が選択された場合の相手方の請求権) 双方の履行が完了していない双務契約について破産管財人が履行を選択した場合には(53条1項)、相手方は破産管財人に同時履行を主張することができるので(民法137条1号に注意)、相手方の債権は財団債権として保護するのが適当である。 売買契約あるいは請負契約のような非継続的契約については、相手方の請求権全部が財団債権となる。 双方未履行契約 8号(双務契約の解約の場合に、破産手続開始から終了までの間に生じた請求権) 双方未履行契約の特質によって適用規定が異なる 継続的契約の解約 148条1項8号 非継続的契約の解除 54条2項 継続的双務契約のうち、破産手続開始があっても当然に終了しないものについては、破産管財人が解約を選択するまでは破産手続開始後も給付を継続することになるので、相手方の利益を保護するために財団債権とされた。 負担付遺贈の相手方請求権 破産管財人が負担付遺贈の履行を受けたときは、その負担した義務の相手方が有する当該負担の利益を受けるべき請求権は、遺贈の目的の価額を超えない限度において、財団債権となる。
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