「腹立つ」できごとへの対処に関する認知行動療法的な.PDF
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「腹立つ」できごとへの対処に関する
認知行動療法的な支援
-広汎性発達障害の一症例-
福田美絵子 宇田川智美
田中睦美 斎藤歩美 斎藤佳那
水流一詩 田邊恭子 田野彩
岡和田景子 佐々木剛 中里道子
伊豫雅臣
千葉大学医学部附属病院
こどものこころ診療部
症例 13歳 男児
主訴:学校で友達を叩いてしまう、
予定通りでないとパニックに陥る
発育歴:妊娠中出生時に特記すべきことなし。
3ヶ月であやすと笑い、始歩10ヶ月
発語は1歳6ヶ月で1語、2歳で2語文
手先の不器用さ、こだわりの強さが目立った。
家族歴:両親、妹。負因(-)
現病歴
2歳時に海外に転居、2歳4ヶ月に幼稚園に入園した。
一人遊びが多く、抑揚のない独特の言い回しが目立っ
たため、専門医を受診、自閉性障害の診断を受けた。
4歳頃より、多動が目立ちはじめ、メチルフェニデート
主剤に薬物療法開始。
6歳時に小学校入学し、12歳まで、健常児と高機能障
害児の混合クラスに在籍。
9歳頃より、授業中に教室で大声を出したり、普段と予
定が変わるとパニックに陥り、クラスメートを突き飛ばし
たりすることが増えた。コミュニケーション、言語のスキ
ルトレーニングに通所。
13歳時帰国。特別支援学級中学1年に在籍中。フォロー
アップを希望し、当院児童精神科を受診。
初診時現症
母親同伴にて受診。視線は合い、質問に
対しては、抑揚のない独特の口調で一方
的に自分の興味に偏った話題を話す。
対人的相互作用の質的障害、意思伝達の
質的障害、常同性保持の傾向が認められ、
随伴症状として衝動制御の問題が認めら
れる。
心理発達検査:PARS
幼児期得点 17点(>9点、PDD が強く示唆)
対人関係 1/8,コミュニケーション8/12,
こだわり4/14,常同行動 2/8,
困難性 0/14,過敏性3/10
思春期・成人期 41点(>20点、PDD が強く示唆)
対人関係 7/8,コミュニケーション10/14,
こだわり9/12,常同行動-,
困難性11/22,過敏性4/6
総合評価
幼児期に少なかった、対人相互性の問題が思春期
以降に顕著になっている。
WISC Ⅲ (12歳11ヶ月時)
信頼区間
IQ 90(%) 群指数
言語 知覚 注意 処理
言語性 動作性 全検査
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