物理数学基礎(’12)-kobe.pdf
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物理数学基礎 (’12)
(授業のテーマと目標)
(授業の内容と計画)
?高校数学のテスト
?微分?積分 (高階微分、マクローリン?テーラー級数、オイラーの公式、
微分方程式、偏微分と全微分、多重積分とヤコビアン、線積分、面積分、
体積積分、ガウス?ストークスの定理)
?ベクトルの演算とベクトル解析 (外積、Levi-Civitaテンソル、grad、div、
rot、ベクトルの3重積、有用な公式)
?線形代数(線形変換と行列、回転の行列、行列としての虚数単位、微分
を行列で表すこと、エルミート行列、固有ベクトル、固有値と対角化)
(参考文献)
?“微分積分” 薩摩順吉 著(理工系の基礎数学)(岩波書店)
(成績評価(目安))
中間テスト:期末テスト = 4 : 6
3第1章 微分?積分
1.1 高階微分、微分演算子
関数 f(x)を n 回微分したものを
f (n)(x),
dn
dxn
f(x) (1.1)
の様に書く。f (2)(x)を f ′′(x)と書いたりもする。
例 1.1 f(x) = exの場合には何回微分しても変わらない:f (n)(x) = ex。
積の微分の公式
d
dx
(fg) = f ′g + fg′ (1.2)
を繰り返し使うと
d2
dx2
(fg) = f ′′g + 2f ′g′ + fg′′
. . .
dn
dxn
(fg) =
n∑
k=0
nCkf
(k)g(n?k) (1.3)
これを
「ライプニッツの公式」
という。
d
dx
g(x)をあたかも g(x)に左から d
dx
を掛けたものの様に見なすことに
する。すると
d2
dx2
(fg) = (f ′′ + 2f ′
d
dx
+ f
d2
dx2
)g (1.4)
と書くことも出来る。括弧の中の f ′′ + 2f ′ d
dx
+ f d
2
dx2
を関数 g(x) に掛け
ると別の関数を作る出すので、これを “微分作用素”、“微分演算子”と呼
ぶことがある。演算子を掛けるというのは形式的(抽象的)な感じがす
4 第 1章 微分?積分
るが、関数を微分することは、後で議論する「線形変換」の一種であり、
線形変換はベクトルに対する行列の掛け算で表せるので、実際上も意味
のある書き方なのである。量子力学では、運動量やエネルギーは、こう
した微分演算子(シュレディンガー)あるいは行列(ハイゼンベルグ)に
対応することを学ぶ。
1.2 平均値の定理とテイラー?マクローリン級数
f(a+?x)?f(a)
?x
で?xを十分小さくとれば f ′(a)にほぼ一致する。よって
f(a+?x) f(a) + f ′(a)?x (1.5)
とが成り立つ。これは aでの情報 (f(a), f ′(a))のみを用いて a+?xの所
の関数値を近似的に与えるものであり、?x → 0の極限で両辺は正確に一
致すると考えられる。つまり、?x を限りなくゼロに近づけたものを dx
と書くことにし、関数値の変化分?f = f(a +?x)? f(x)で?x → 0の
極限をとったものを df = f(a+ dx)? f(a)と書くと、
df = f ′(a)dx (1.6)
が正確に成り立つと考えられる。この時 df を “微分”と呼ぶ。(1.6)は微
分を表す
df
dx
= f ′(a)で分母を(形式的に)払ったものと見なせる。例え
ば f(x) = x2とすると
df = (a+ dx)2 ? a2 = 2adx+ dx2 (1.7)
であり、一方 f ′(a) = 2aなので右辺は 2adxとなって、dx2の項のために
(1.6)は成立しない様に思える。しかし、dx は?xをゼロに持って行く極
限なので、
dx2
dx
= lim
?x→0
?x2
?x
= 0 (1.8)
と考えてよい。つまり、こうした dxの “高次の微小量”は無視して良いの
で、(1.6)は正確に成り立つと考えてよい。a → x と置き換えて
df = f(x+ dx)? f(x) = f ′(x)dx = df
dx
dx (1.9)
1.2. 平均値の定理とテイラー?マクローリン級数 5
と書いても良い。この書き方を用いると
df
dx
等は df を dx で割ったもの
と思って良く、色々の関係式が自明なものに成る。例えば、合成関数 y =
f(u), u = g(x)を考えると
dy
dx
=
dy
du
du
dx
(1.10)
が言えて、合成関数の微分の公式が直ちに得られる。
実際には、?xがいくら小さくても有限である限り (1.5)は近似式であ
るが、近似式でなく、微分係数を用いて正確に表すことを可能にする定
理がある。即ち
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