学校(教師)と家庭の連携の3-3大切さ.pdf
文本预览下载声明
3 -3
学校(教師)と家庭の連携の
大切さ
ベネッセ教育総研主任研究員 田中 勇作
本研究会では、「学力向上のための基本調査 2003」
を通して、子どもの学びの基礎力は「学校での教師
の働きかけ」と「家庭での働きかけ」の双方がなされ
ているケースにおいて、最も高くなっていることを
確認してきた。(『豊かな学力の確かな育成に向けて』
2003年ベネッセ教育総研刊、第4章参照)
今回の「学力向上のための基本調査 2004」において
も、「子どもたちがふだん、学校や家庭において、教
師や保護者からどのような働きかけを受けたり、学
校や家庭でどのような活動をしているか」というこ
とについての子ども自身の回答結果を 4つのパター
ンに分類し、パターン毎に子どもの学びの基礎力の
スコアを比較した結果、前回の「基本調査 2003」とほ
ぼ同様の結果が得られ、子どもの学びの基礎力の育
成における学校と家庭の連携の大切さを再検証する
ことができた。
図表3- 3- 1は、学びの基礎力の 4領域の一
つである「学びに向かう力」の「学習動機」に関する
「勉強して身につけた知識は、いずれ仕事や生活の中
で役に立つと思う」という子どもの「学習の役立ち感」
について、「学校で勉強したことが社会に出た時に役
に立った話を家族から聞いたことがある」という「家
1 教師と家庭での連携の成果は、子どもの学びの基礎力だけでなく、教科学力にも現れている
第3節では、第 1、2節で個別に見てきた、教師の
指導力や家庭の教育力と子どもの総合学力との関係
を踏まえ、「『教師の指導力』、『家庭の教育力』は双
方の連携によって、子どもの『総合学力』の育成によ
り強く働く」という基本仮説 3を検証するとともに、
学校(教師)と家庭の連携の在り方について考察して
みたい。
はじめに
100
1 子どもの認識に基づく結果から
学校で勉強したことが
社会に出た時に役に立
った話を家族から聞い
たことがある。
会社や職場を訪問した
り、社会人の話を聞い
たりして、働くという
ことについて考える。
学年
小4生
小6生
中3生
連
携
の
パ
タ
ー
ン
A
B
C
D
○
○
×
×
○
×
○
×
43.8
24.3
14.4
17.6
50.6
49.7
50.9
48.6
29.6
29.6
11.6
29.2
50.8
50.2
50.3
49.5
27.4
12.9
34.9
24.7
49.8
49.5
50.7
49.4
○
○
×
×
○
×
○
×
○
○
×
×
○
×
○
×
A
B
C
D
A
B
C
D
家庭での活動?経験 学校での活動?経験 学びの基礎力項目への子どもの肯定的回答割合
勉強して身につけた知識は、いずれ仕事や生活の
中で役に立つと思う。
構
成
割
合(
%
)
教
科
総
合
ス
コ
ア
83.7 13.6
17.5
15.3
76.8
64.3
59.4
63.5
55.0
45.9
34.6
38.2
33.0
18.9
26.2
24.4
27.6
35.5
34.7
41.4
44.0
44.6
41.4
37.3
とても まあ
「学習の役立ち感(学びに向かう力)」と子どもの認識から見た家庭?学校での活動のパターンとの関係
図表3-3-1
101
子どもといっしょに本
を読んだり、読んだ本
の感想を話し合ったり
している。
朝学習や朝読書の時間
を通して、学習に向か
う姿勢づくりを大切に
している。
学年
小4生
小6生
中3生
連
携
の
パ
タ
ー
ン
A
B
C
D
○
○
×
×
○
×
○
×
22.3
27.5
22.9
27.3
50.9
50.4
50.9
48.5
20.7
20.3
27.0
32.1
51.6
52.2
49.4
48.1
14.5
19.3
34.3
31.8
49.9
54.9
48.7
51.5
○
○
×
×
○
×
○
×
○
○
×
×
○
×
○
×
A
B
C
D
A
B
C
D
保護者の働きかけ 教師の働きかけ 学びの基礎力項目への子どもの肯定的回答割合
(帰宅後)本や新聞を読む。
構
成
割
合(
%
)
教
科
総
合
ス
コ
ア
25.5 23.1
21.6
26.6
26.9
24.0
20.5
34.0
28.3
20.5
18.0
30.0
32.8
22.7
19.5
21.0
23.2
17.7
2
显示全部