住民を守らない公的サービスでいいのか?.PDF
文本预览下载声明
【政策4】
住民を守らない公的サービスでいいのか?
◆相次ぐ PFI 病院の破綻
小泉内閣の規制改革・民間開放推進会議議長で、公務サービスの民間開放を推進した
オリックスの宮内義彦会長は、当時 「どんな分野でも、民間がやれば赤字にならない」と
大見得を切りました。
効率的かつ効果的に公共サービスを提供するとして1999年に「PFI法」が制定され
ました。政権交代後、民主党はPFIをもっと積極的に活用しようとして、「新成長戦略」
でも、「インフラ整備をPFIを活用して効率的に行う」方針を示しています。が…
「高知医療センター」は、どうなった。
「高知医療センター」は、高知県立中央病院と高知市立市民病院を統合し、高知県と高
知市が2005年3月に新しく開院した自治体病院です。
自治体病院は、医師・看護師などが行う「医療行為」を除く、ほぼすべての病院業務を
民間大企業に包括委託しました。
・委 託 先:オリックスなどが出資するSPCの「高知医療PFI株式会社」。
*SPC:特別目的会社PFI事業に特化した事業法人
・契約期間:02年~32年までの約30年。
・契約金額:約2,132億円
・その後、高知医療センターが経営難となり、SPCと運営主体である高知県・高知市
病院企業団が契約解消を前提に協議し、PFI契約を解除し直営移行決定。
◆なぜ? 高知医療センターPFI契約解除が現実味企業
・高知医療センターは05年の 長「このままで事業継続は困難」1月20日に知
事・高知市長がオリックス社
開院以来赤字経営が続き、09 経営が深刻化している高知医療センターの破綻を回避する
年3月期は21億円の赤字。累 ため高知県・高知市病院企業団(山崎隆章企業長)が、PFI事
積赤字は79億円に。 業を委託している特別目的会社(SPC)「高知医療ピーエフアイ
(親会社はオリックス)」に要請していた委託料削減案を同社が
・病院は累積赤字の一方で、採 完全に拒否している(昨年12月9日付け回答)ことを受けて、山
算事業部門を請け負った高知P 崎企業長は1月15日、「このままではPFI継続は困難」と述べ
FIは黒字。09年3月期は1.5億 るなど、同センターのPFI契約解除に向けた動きが現実化して
円の利益で、SPCだけが儲か います。また尾崎正直県知事、岡崎誠也高知市長は1月20日にオリックス社を訪問し、西名弘明副
社長と面談する予定であることが明らかになりました。(略)
った。 「PFI事業を選択した理由は、コスト削減ができるからであり、病院経営の効率化に寄与できること
・病院は、産婦人科や小児科な を条件に委託業者を選定している。今回の委託料削減要請は、その効果が発揮されていないからで
どの診療科目を「儲からないか あり、机上ではなく実際の運営の中でVFM(バリューフォーマネー、①同じ水準のサービスをより低い
コストで提供する。②同じコストで、より質の高いサービスを提供する)を発生させるかが重要だ。その
らないので廃止」とはいかず、 努力義務がSPCにはある。これまでもVMFが発生していないし、今後も発生する見込みがないとい
不採算でも公的に必要な部門を う状況の中で、SPCが所管する事業全体での費用圧縮は不可欠という判断でこれまで協議をしてき
抱えるため赤字になりがち。 た。一方的な解釈にもとづく企業団側の
显示全部