循環器内科98年卒試解答-SQUARE.doc
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循環器内科98年卒試解答
問題1 肥大型心筋症(HCM)についてただしいものはどれか。
動悸、呼吸困難、失神、胸痛、不整脈、非対称性心室中隔肥厚、左室流失路狭窄、これらはすべてHCMに伴って起こりうる症状、所見である。
一般に、HCMのほうが拡張型心筋症(DCM)より予後が良い。
家族性HCMで現在までに見つかっている遺伝子異常は、ほとんどが筋肉の収縮に関与するタンパクの遺伝子異常である。
心筋βミオシン重鎖遺伝子のミスセンス変異では、一般にアミノ酸の電荷の変化を伴う症例のほうが伴わない症例に比べて予後が悪い。
HCMのなかにはやがてDCM様の病態へと移行する症例が存在する。
a: (2. 3. 4) b: (1. 3) c: (2. 4) d: (4) e: すべて
問題1 e: すべて
(1)○ HCMの症状:呼吸困難(最多)、胸痛(心筋虚血)、動悸?不整脈(Paf, VT)、めまい?失神(脳虚血) HCMの所見:非対称性中隔肥厚(ASH) HCMに特徴的、中隔厚/後壁厚>1.3、 左室流出路狭窄=HOCM 安静時圧較差>20mmHg、SAM
(2)○ HCMは10年生存率95%、DCMは5年生存率50%で10年生存率30%
(3)○ 家族性HCM(AD)ではこれまで、βミオシン重鎖、αトロポミオシン、トロポニンTなど収縮関連タンパクの遺伝子異常が見つかっている。
(4)○ 循環器内科シラバスp144図17参照。Val(電荷なし)→Met(電荷なし)のほうがArg(電荷あり)→Gln(電荷なし)よりも予後がよい。
(5)○ 心筋肥大による酸素需要増大?心室拡張不全や冠小動脈狭窄による酸素供給低下から心筋虚血に陥り、これが繰り返されて心筋の変性?線維化が起こってくると、末期には収縮不全を来し、拡張相HCMというDCM様病態を呈することがある。
問題2 心筋炎?拡張型心筋症(DCM)について正しいものはどれか。
心筋組織における間質の浮腫?細胞浸潤などは、急性心筋炎でよく見られる所見であり、DCMで見られることはない。
アドリアマイシン、ヘモクロマトーシス、アミロイドーシス、アルコール、筋ジストロフィー、ミトコンドリア遺伝子の異常は、すべて二次性DCMの原因になりうる。
心筋線維の錯綜配列(disarray)は、DCMに特徴的な所見である。
HCMの治療にはβ遮断薬が用いられるが、DCMにβ遮断薬が用いられることはない。
心筋炎における細胞性免疫を介する心筋障害機序が遷延することによりDCMへと移行したと考えられる症例も少なからず存在することから、心筋炎と同様にDCMにおいても一般にステロイドや免疫抑制剤が有効である。
a: (2. 3. 5) b: (2) c: (2. 5) d: (4. 5) e: (2. 4. 5)
問題2 b: (2)
(1)× 間質の浮腫?細胞浸潤は急性心筋炎ではもちろん見られるが、DCMでも約20%に散在性?巣状の小円形細胞浸潤が見られる。
(2)○ 2次性DCMの原因として以下のようなものがある。内分泌?代謝疾患:ヘモクロマトーシス、アミロイドーシス 全身性系統疾患:サルコイドーシス、SLE、RA、PSS、 遺伝性変性性神経筋疾患:筋ジストロフィー(特にDuchenne型)、Freidreich失調症、ミトコンドリア遺伝子異常(Kearns-Sayre症候群) 過敏反応?薬物中毒:アルコール、向精神薬、抗癌剤(アドリアマイシンなど)
(3)× 錯綜配列はHCMに特徴的な所見。DCMでは心室の拡張、心腔内血栓、心筋の変性?線維化、残存心筋の代償性肥大などが見られる。
(4)× βブロッカーはDCM、HCM両方に用いられる。HCM:Ca拮抗薬が左室流入障害、心筋虚血を改善する。流出路狭窄を有する例ではβブロッカーを併用することにより左室内圧較差が改善される。 DCM:慢性心不全による交感神経?RAA系の活動亢進が、末梢血管抵抗の上昇や循環血しょう量の増加を来し、心不全を代償するどころか憎悪させていることが明らかになり、以前は禁忌であったβブロッカー投与の有効性が認められてきている。
(5)× ウイルス感染によって細胞性免疫が惹起され、心筋障害が引き起こされることがDCM発症の主要因子であるが、免疫抑制剤が有効であるという記述は見当たらない。
問題3 僧帽弁狭窄症について誤っているのはどれか。
原因としてはリウマチ性のものが多い。
現在日本では年々頻度が増加しつつある。
浮腫を初発症状とする場合が多い。
内科的な治療の第一選択薬は動脈の拡張薬である。
他の弁疾患を合併しない限り、左室収縮能は比較的よく保たれる。
a: (1. 2. 3) b: (
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