max–plus方程式.pdf
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反応拡散系と max–plus 方程式 ないが元の現象を驚くほどよく再現している (図 3)。
CA の定義自身は元の系の本質を抽出した簡単なもの
早稲田大学 理工学部 数理科学科 である。パターンを再現するメカニズムとして、微分
高橋 大輔 方程式よりも CA の方がある意味で柔軟性に富み、応
用の別の可能性が開かれることになる。
さて、本研究では BZ 反応のモデルとして上記の
1 はじめに CA のようにすべての量が離散的なモデルを提案する
ことを目指している。ただし上記 CA では微分方程式
反 応 拡 散 系 は 神 経 パ ル ス 波 や Belouzov–
のパターンを再現するためにメカニズムの模倣が行わ
Zhabotinsky (BZ) 反応などに代表されるパター
れている。これに対し、本研究では以下に述べる超離
ン形成系である [1, 2, 3, 4]。反応拡散の反応という
散化手法によって微分方程式のパターン生成メカニズ
言葉が示すように、神経パルス波では 2 種のパルス,
ムの本質的な部分だけを離散モデル上で数学的に直接
BZ 反応では 複数の化学物質というふうに 2 種ある
かつ厳密に実現することを目指している。言い換える
いはそれ以上の成分同士が相互作用することが系の第
と、シミュレーターとして現象を忠実に再現すること
一の特徴である。さらに、反応拡散の拡散という言葉
よりも、元の系に潜んでいる数理構造を可能??限り忠
が示すように、ある成分が空間内で局在していても拡
実に離散系で再現することを優先させるのである。
散効果によっていずれ周囲へ拡がろうとする。そして
超離散化手法は可積分系の分野で生まれた手法であ
この反応の効果と拡散の効果があいまって、特徴的な
り、微分方程式と完全離散系 (たとえば CA) とを結び
波が多様な相互作用を示し、そのグローバルパターン
つける新しい道筋をつけた [7]。その典型例を以下に示
がしばしば興味深い秩序だった変化を示すのである。
す。差分方程式
反応
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