金水 敏(大阪大学大学院文学研究科) 金水 敏.pdf
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ダイクシスの諸相ダイクシスの諸相
―日本語とその歴史から―
文法学研究会
度連続公開講義年度連続公開講義
テーマ『ダイクシス』
6月28 日 於東京大学駒場キャンパス
金水金水 敏(大阪大学大学院文学研究科)敏(大阪大学大学院文学研究科)
協力者協力者
• 大阪大学チ大阪大学チームムダイクシ・ダイクシス
黒木邦彦
(学術振興会特別研究員大阪大学大学院文学研究科博(学術振興会特別研究員・大阪大学大学院文学研究科博
士後期課程)
大田垣大田垣 仁(大阪大学大学院文学研究科博士後期課程)仁(大阪大学大学院文学研究科博士後期課程)
藤本真理子(大阪大学大学院文学研究科博士後期課程)
清田朗裕(大阪大学大学院文学研究科博士後期課程)清田朗裕(大阪大学大学院文学研究科博士後期課程)
森 勇太(大阪大学大学院文学研究科博士前期課程)
1. ダイクシス、現実、仮想現実
ダイクシスとはダイクシスとは
• 直示的中心直示的中心(d(deiictitic centter)) = 〈〈いまいま・ここ・わわ
たし〉を基準点とした表現
• 人称詞(一人称・二人称)、指示詞、時間表現
の一部、テン部、テンス、移動表現等、移動表現等
• 直示的中心は、“現実”の中心として、“現実”
を組織化するを組織化する。
• 言語的表現(linguistic expression) は、“現
実”を基盤としながら実”を基盤としながら、“仮想現実”を形成して“仮想現実”を形成して
いく。
現実と仮想現実現実と仮想現実
• 本講義でいう“現実”“仮想現実”はメンタルスペ
ース(Fauconnier 1985, 1997) によって表現す
る。記法もメンタルスペースに倣うが、理論面・記
述面において拡張張をほどこす。
• 現実をベースとし、言語表現によって新しいスペ
ース=仮想現実を設定ース=仮想現実を設定、「最適化方略」によって「最適化方略」によって
ベースから新しいスペースへと情報を流し込む。
• 「同「同一性性を持」を持つ要素間を語用論的関数要素間を語用論的関数でつなな
ぎ、アクセス原則によって指し示す。
語用論的関数とアクセス原則語用論的関数とアクセス原則
ベベースス 20年前年前
aa aa’
a= (私の)妻
“私は20年前に妻と出会った。”
メンタルスペースの拡張メンタルスペースの拡張
• “現実現実”スペスペース内に「直示空間」(金水ス内に「直示空間」(金水2000)2000)を設定しを設定し、直示的中心直示的中心
(deictic center= {いま、ここ、わたし})を設ける。
• 直時空間以外を「背景的知識」とする。背景的知識には、エピソード記憶
、長期的記憶のうち長期的記憶のうち、談話の必要性に応じ談話の必要性に応じ、そのその一部が活性化されたも部が活性化されたも
のが含まれる。
• 直示空間とは、主体が現実に働きかけ、新規情報を得るその現場である
。また、新規情報と、すでに得た情報に基。また、新規情報と、すでに得た情報に基づき推論を実践する、その現場き推論を実践する、その現場
でもある。背景的知識とは、新規情報を蓄蔵し、整理・統合し、圧縮した
結果としての知識である。
• 主体が新規情報を得るインタフェースとして、いわゆる五感(視覚、聴覚、
嗅覚嗅覚、触覚触覚、味覚)がある味覚)がある。またまた、体内感覚体内感覚、感情も感情も、直時空間から得ら直時空間から得ら
れる新規情報の一つである(金水2000)。
• 直示空間から主体が得る情報には、直接的知識と間接的知識とがある。
直接的知識とは文字通り直接的知識とは文字通り、主体を巻き込んで直示空間で発
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