ヒト遺伝子解析申請手続き-PLOS.doc
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研究実施計画書
【研究の背景】
相応の飲酒歴がないにも関わらず肝細胞の大滴性脂肪沈着を呈する疾患は非アルコール性脂肪肝疾患と呼ばれ、現在では成人の3~4人に1人が罹患しているとされる[1-4]。従来は非進行性で良性と考えられていた単純性脂肪肝も、脂肪肝炎に進行して肝硬変や肝細胞癌の原因になりえることが分かっており、臨床上重要な問題となっている[5,6]。また近年、脂肪肝の進行に関し内臓脂肪量、インスリン抵抗性の関与が指摘されている[7-9]。脂肪肝診断のGold standardは肝生検による病理組織診断であるが、検査に伴う侵襲や高い罹患率のために全例で実施するのは困難であり、より簡便な診断法が模索されている。その中でも肝CT値は脂肪肝の診断に有用であることが示されている[10-13]。
閉塞性睡眠時無呼吸(Obstructive Sleep Apnea: OSA)は、睡眠中に間欠的低酸素血症を繰り返し引き起こして交感神経興奮や酸化ストレスの原因となり、心脳血管障害、高血圧、インスリン抵抗性増強などさまざまな合併症の危険因子となることが分かっている。近年、OSAと内臓脂肪量、インスリン抵抗性の関係が注目されており[14-16]、また、夜間の低酸素血症が肝酵素値異常[17,18]や脂肪肝炎[19]の危険因子となることが示唆されており、動物実験でも間欠的低酸素の暴露によって肝の脂肪含量が増加することが示されている[20]。またCPAP療法によるOSA患者の内臓脂肪量、インスリン抵抗性、肝酵素値改善が報告され[14,21,22]、小規模ではあるが肝CT値を用いた研究でCPAPによる脂肪肝改善が示唆されている[23]。一方、OSAと内臓脂肪量、脂肪肝の関連については否定的な報告もある[17,24]。
このようにOSAが内臓脂肪量、脂肪肝に与える影響や、OSAをCPAPで治療することで内臓脂肪量、脂肪肝にどの程度の改善が認められるかについては、よく分かっていない。当院において、メタボリックシンドロームや内臓脂肪型肥満の診断目的で実施されるCTには肝臓も撮像されていることが多く、これを用いて、内臓脂肪量の変化だけでなく撮像された範囲内での脂肪肝も評価することを目的として、本研究を実施することにした。
【研究の目的?意義】
OSAが疑われて当院でポリソムノグラフィ(Polysomnography: PSG)を実施され、またメタボリックシンドロームまたは内臓脂肪型肥満症の診断のために京大病院の規定のCTで腹部内臓脂肪を測定された患者のうち、肝臓のCT値が利用可能な患者について、OSAの重症度指標と同CT画像における肝CT値の関連を、内臓脂肪量やその他の血清学的検査とともに検討する。さらにOSAのため導入されたCPAP療法を6ヶ月以上継続している患者が、一度目のCTでメタボリックシンドローム、内臓脂肪型肥満、脂肪肝を合併している場合、治療効果や病状の評価のために内臓脂肪CTを実施し、これを用いて治療前後の内臓脂肪、肝CT値の変化を検討し、同時に血清学的検査の変化についても検討する。
1. 研究デザインの種類
横断研究、コホート研究
2. 研究期間
1)対象者登録期間
倫理委員会承認日より2年間。
2)対象者追跡期間
追跡調査は、OSAに対してCPAP治療導入となり、当院に通院中の患者を対象とする。
3. 対象者の選択
1)選択の場(施設および機会、その合理性)
京都大学医学部附属病院
2)包含基準および除外基準
包含基準
いびきや睡眠時の呼吸障害などOSAを疑わせる訴えがあり、京都大学医学部附属病院においてPSG検査を実施された成人(20歳以上)のうち、メタボリックシンドロームまたは内臓脂肪型肥満症の診断のために腹部CTを実施された症例を対象とする。さらにCPAP療法における追跡評価に関しては、OSAと診断されCPAP療法を導入された患者のうち、6ヶ月以上CPAP療法を継続し当院に通院中で、初回の内臓脂肪量検査にてメタボリックシンドローム、内臓脂肪型肥満、脂肪肝が指摘された患者のうち、内臓脂肪CT検査に同意した症例を対象とする。
除外基準
?診断PSG施行時にすでに睡眠呼吸障害の治療を受けているもの。
?肝疾患や肝炎ウイルス感染が明らかな患者、うっ血や重篤な合併症を有する患者。
?他疾患のために薬剤性脂肪肝の原因となる薬剤(アミオダロン、メソトレキセートなど)の投与を受けている患者。
?研究参加について自由意志による決定が困難と思われる症例。
3)標本規模
?登録期間中に、診断のために当院でPSG検査を実施した患者のうち、包含基準を満たした患者を評価対象とする。
4. 介入や追跡の方法
PSGの結果でOSAの重症度を評価するが、肝CT値の評
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