生殖と繁殖の生物学.doc
文本预览下载声明
生殖と繁殖の生物学
1.動物の生殖
個体の一生は限られたものなので、どこかで必ず次の世代を作って種の存続をはかっている。すなわち生殖(reproduction)である。生殖は、個体維持とならんで最も生物らしい活動である。
生物界全体を見渡すと、無性生殖(asexual reproduction)と有性生殖(sexual reproduction)が区別できるが、動物界には無性生殖をおこなう種はそれほど多くはない。
動物の無性生殖の例としては、次のようなものが挙げられる。
出芽(budding):ヒドラ
細片分離あるいは断烈(fragmentation):腔腸動物、扁形動物
単為生殖(parthenogenesis):ミツバチ、アリマキ
下に載せたミズクラゲのストロビタからエフィラの断裂や、ミツバチの単為生殖などの無性生殖は、その動物の生活史の1ステージとして現われたものである。ずっと無性生殖だけで繁殖していく動物はほとんどいない。
ヒドラの出芽(http://www.cam.hi-ho.ne.jp/moose/sub2.htmより)
ストロビラの横分裂(http://biology.shinshu-u.ac.jp/sakaguchiHP/index.htmlより。興味深いページです、見てください)
無性生殖というのは、自分と全く同じ遺伝子を持った個体を新たに作り出すわけで、安定した環境ではどんどん増えていけばいいので好都合だが、環境が変化したときには対応することはできない。
そこで進化の過程で作り出されたのが、遺伝子を混ぜ合わせる有性生殖(sexual reproduction)である。有性生殖では、雄と雌で作られた生殖細胞、すなわち配偶子(gamete)が融合して、新しい個体が生じる。配偶子には形?大きさが同じ同型配偶子をつくる生物と、配偶子の大きさに差がある異型配偶子をつくる生物がいる。雌雄の作る異型配偶子に、形態?分化に大きな差が見られるとき、雌のものを卵(ovum)、雄のものを精子(spermatozoon)という。ふつうは、卵は大きく運動性を欠き、精子は小さく運動性がある。動物は卵と精子を作る場合がほとんどである。
生物ⅠB(第一学習社)より
精子と卵の癒合を受精(fertilization)といい、受精が雌の体内で起こる場合を体内受精(internal fertilization)、体外で起こる場合を体外受精(external fertilization)という。ちなみに配偶子どうしの融合は、接合と呼んでいる。
融合するのだから、染色体の数は配偶子の倍になる。そこで、配偶子を作るためには染色体の数を半減させておかなければならない。そのために、体細胞分裂とは異なる、減数分裂という、染色体を半減させる特別な分裂様式が導入された。
こうして大型の運動性のない配偶子である卵を作る雌と、運動性のある小型の配偶子である精子を作る雄の区別ができた。性(sex)とは、一般的には同種の生物に雄と雌の区別があることを言うが、もっとも根源的な意味は、雌雄の染色体の新しい組み合わせを作って、遺伝子を混ぜることにより、新しい組み合わせの遺伝子をもった個体を作ることである。日常会話では、この混ぜ合わせに必要な多くの現象(形態や行動を含めて)を性と呼ぶことが多い。
有性生殖を行うための器官を生殖器官と言い、配偶子を形成する生殖巣(生殖腺)とそれを体外へ排出するための生殖輸管、さらに生殖輸管に付属する腺などに分けられる。
ふつうは生殖腺として精巣(testis、pl. testes)をもつものを雄(ヒトでは男)といい、生殖輸管は輸精管(vas deferens)である。生殖腺として卵巣(ovary)をもつほうは雌(ヒトでは女)といい、生殖輸管は輸卵管(oviduct)、子宮(uterus)である。
生殖輸管の体外への出口を生殖口というが、体内受精を行う動物ではこの部位が交尾器(雄の陰茎など)として発達している。
生殖腺によって雄と雌の区別ができるので、これを一次性徴(primary se character)といい、これ以外の生殖輸管や付属生殖器、交尾器の違いを二次性徴(secondary sex character)という。性染色体によって、まず生殖腺が精巣になるか卵巣になるかが決まり、つぎに二次性徴が決まってくる。このような区別が生じることを性分化(sexual differentiation)という。
さて、受精が成立すると発生(development)が始まる。発生というのは、受精卵が卵割(体細胞分裂)をして細胞の数
显示全部