排尿障害.PDF
文本预览下载声明
特集特集 高齢者薬物療法のエビデンスと注意点高齢者薬物療法のエビデンスと注意点
Ⅱ はじめに
頻尿,尿失禁は高齢者に限らずQOLを著しく損なう症状
-3
であり,日常生活において行動の制限を強いられることが多
老年症候群の治療薬と薬剤起因性老年症候群 い.また尿失禁では,羞恥心や異臭などより精神的負担も大
きく,気力を損なう要因のひとつになりうる.
頻尿は,①膀胱に尿を貯留することが困難な蓄尿障害に起
因する状態,②残尿が多量にあり,そのために機能的膀胱容
排尿障害 量が減少するために起きる排出障害に起因するもの,③その
他(精神的緊張などから来る心因性など)が考えられる.頻
尿を呈する疾患のうち代表的なものを 表1 にまとめた.
(頻尿・尿失禁)
1. 過活動膀胱への理解
症例 75 歳の女性
1) 2)
上山 裕 堀江重郎 〔主訴〕頻尿
1)帝京大学医学部 泌尿器科学教室 講師 〔現病歴〕日中1時間ごとの尿意切迫感があり,ときどき切
2)帝京大学医学部 泌尿器科学教室 主任教授
迫性尿失禁を認める.夜間就寝時も2時間ごとに尿意を認め,
夜間はオムツ排尿をしている.
〔既往歴〕脳梗塞(後遺症は認めない:下肢筋力低下のため
車椅子での介護生活,介護度1)
〔検査所見〕
Point ❶ 過活動膀胱について理解する. 尿沈渣:白血球2 〜 3/HPF,赤血球1 〜 3/HPF
残尿測定:30 ml
〔診断〕過活動膀胱(切迫性尿失禁あり)
Point ❷ 頻尿の鑑別ができる.
過活動膀胱とは
Point ❸ 頻尿の検査について理解する.
過活動膀胱とは,尿意切迫感を必須とした症状症候群であ
り,通常は頻尿と夜間頻尿を伴うものである.また尿失禁の
Point ❹ 尿失禁が分類できる. 有無は問わない.その原因により,神経性過活動膀胱,非神
経性過活動膀胱に分けられる( 図1 ・表2 ).
この症例は,残尿が認められない頻尿であり,脳梗塞の既
Point ❺ 女性特有の尿失禁を理解する. 往と尿路感染の否定より
显示全部