札幌北楡病院医疗安全管理指针-hokuyu.PDF

札幌北楡病院 医療安全管理指針 １．医療安全に対する基本理念 近年の医療技術の進歩・発展は目覚しく、医療に従事する関係者の日常 的な努力の積み重ねで、患者さんに大きな福音をもたらしている。 一方、より高度の医療を安全に確実に実施しようとするほど、より高い 知識、技術の修得が必要とされる。医療に関わるものにとって、当然のこ ととはいえ、時に過酷に感じられることも多々ある。しかし、救いを求め る患者さんが頼れるのは、家族であり、われわれ医療従事者である。しか もこの任務から目をそむけることなく、実施するためには、一人で成し遂 げるには限界がある。このため「チームで取り組み、知恵を寄せ合い、励 ましあい、患者さんの喜びに疲れを癒し、前進すること」が大切になって いる。 以下に医療安全に対する基本理念を記し、日常医療の指針とする。 （１）患者さんの身になって、安心して治療を受けられるように努力し続ける。 （２）安全管理者は、一人ひとりの誠意と努力を基本とし、チームで取り組む ことで達成されるものであり、病院全体の課題である。 （３）インシデントやアクシデントの報告は速やかに行い、院長、安全委員会 （医療安全管理室長）、安全管理者（専従）、各部署のリスクマネージャ ーを中心に迅速な対応に努める。 （４）医療事故を防止するため、病院長の指揮のもと、リスクの分析、改善、 評価を日常的に行う。人間は誰でもエラーを起こす可能性がある事を踏 まえ、インシデントやアクシデントの根本的原因を究明し、患者さん、 家族への対応はもとより、社会への透明性を高め、エラーの再発を防ぐ 努力をする。 （５）安全な医療を提供するため、必要な知識・技術・方法などを職員全体で 共有できるように、日常的に勉強を続ける。 （６）すべての職員が、安全な医療を提供できるよう、安全管理に関する知識 や技術の習得に努める。 （７）「安全マニュアル」を作成、周知し、必要に応じて改善していく。 ２．医療安全推進のための体制 病院長、医療安全管理室を統括する安全委員会委員長、安全委員会を中心と して院内の医療安全推進のための体制を構築し、医療の質と医療安全の向上を 組織横断的に取り組む。 （１）構成 １）安全委員会の設置： ・目的：インシデント・アクシデントなどの内容を分析し、医療安全 対策を検討、評価することにより、日常業務の改善・職員教 育などを推進し医療の質向上と安全確保を図る。また、院内 のほか委員会と連携し、医療安全に関する諸対策、並びに院 内システム改善を行う。 ・毎月1 回開催 ・構成メンバー：病院長が任命した委員長及各部署の医療安全推進者 （リスクマネージャー） ２）医療安全推進のための小委員会・部会の設置 ３）医療安全管理室長と専従医療安全管理者の設置 ４）各部署に医療安全推進者（リスクマネージャー）の配置 ５）医療安全相談室の設置 ６）安全マニュアルの策定 ３．報告制度について （１）インシデント・アクシデント報告制度と運用 医療安全を推進するため、その具体的な方策として報告書を提出する。そ れにより院内に内在する問題を顕在化させ、安全委員会を通しその問題を分 析、業務改善をはじめとした医療安全対策に、組織全体で取り組むこととす る。 １）報告書の基本的考え方 a.報告書は、提出した個人の責任を問い処罰や人事考課に使用するもので はなく、事例に潜む背景要因を探ることから対策を策定するなど医療安全 推進のために使用するものである。 b.事例を体験した場合、職員は速やかに報告書を記載し提出しなければな らない。提出すべき事例にも関わらず、故意に提出を怠った場合には注意 を受けることがある。 c.報告書の提出は、原則として事例に関与した職員が行うが、その職員が