诸种消毒剂ノ杀菌作用ノ理论-J-Stage.PDF

410 小島=諸種消毒劑ノ殺菌作用ノ理論及ビ實際 諸種消毒劑ノ殺菌作用ノ理論 及 ビ實際(其 ノ一後半) (昭和14年12月16日 受付) 傳染病研究所第四研究部(部長 小島三郎教授) 共立名古屋病院研究部(主任 田村義貫博士) 小 島 國 康 第四章 諸種有機物質ノ該殺菌作用ニ及ボス影響 前第三章第二節 ニ於テ.Thymol及 ビCarvacrol竝 ニ其等 ノ「ハログン」置換體 ノ. 諸種細菌ニ對 スル殺菌作用 ヲ検 シ.引 イテハThymol及 ビCarvacrolノ 「ハロゲン」 置換ニヨル殺菌力 ノ増強度等ニ就 キ考察 セリ。 此處ニ上記殺菌力試験ハ.要 スルニ試験管内試験ニシテ嚴密ニ實施スルモ.各 供試 殺菌劑ノ蒸溜水稀釋液ニ.人 工培養即チ試験管培養ニヨル菌ト.僅少ノ培養基 トヲ含 マシメタル環境ニテ.温 度20.0℃.一 定時間後ニ於ケル菌ノ生死ノ模様ヲ觀察シタル ニ外ナラズ。實際ニ於 テハ細菌ハ喀痰.糞 尿.野 菜.肉 類其 ノ他下水等.凡 ソ吾人 ノ思考 シ得ル限 リノ森羅萬象ニ圍繞 セラル。即 チ菌體ハ裸 ノマ 、ニテ存在 スルニハ アラズ. 必ズヤ多少 ノ糞尿 ソノ他 ノ隨件有機物等ニ抱擁セラレテ存在 スルモノナリ。 從 ツテ其 ノ生活力.抵 抗力等ハ一様ナラズ.菌 ニ隨伴 スル有機物等 ノ影響 ノ存 スル アリ.其 ノ温度モ亦各様ナ リ。 此 ノ故ニ實地應用 ノ見地 ヨリスレバ.精 細ニ自然 ニ模 シテ試験 シ.正 確妥當ナル使 用法 ヲ考究 スベキナ リ。 カ、ル意味ニ於 テ.著 者ハ殊ニ諸種有機物 ノ各供試藥 ノ殺菌 作用ニ及 ボス影響 ノ一端 ヲ知 ラントシ.血 清.「 單 シロツプ」.「グリセ リン 及 ビ 人工 糞便等 ヲ用 ヒ.腸 「チフス」菌 ヲ供試菌 トシテ實験 セリ。 第一項 血 清 有機物殊 ニ蛋 白質ハ.Cooper(19),Klarmann(20)氏 等諸學者ニヨリ認 メラレタル如 ク 諸種消毒劑 ノ殺菌作用 ヲ概 シテ著 シク障碍 スルモノナルヲ以テ.蛋 白質 ノーツ トシテ 血清 ヲ採 リ.其 ノThymol及 ビCarvacrol,竝 ニ其等 ノ「ハログ ン」置換體 タルChlo- rthymol,Jodthymol,Chlorcarvacrol等ノ殺菌力ニ及ボス影響ニ就 キ實験 セリ。 小島=諸種消毒剤ノ殺菌作用ノ理論及ビ實際 411 而 シテ本實験 ニ於 テハ.10.0%ノ 割合ニ馬血清ラ添加 シタル時.即 チ10.0%馬 血清 液 テ「メヂウム」トナセル時 ノ各供試藥 ノ殺菌作用ニ及ボス影響 テ看 ントシ.各 供試藥 ノ適宜稀釋ノ二分一稀釋即チ2倍 濃厚液ニ.20.0%馬 血清液 ヲ等量 ニ加フルコトニヨ リ.10.0%ニ馬血清テ含メル所ノ各供試藥ノ所期ノ適宜稀釋液ラ作リ其ノ殺菌力ラ試 験 シタ リ。 其 ノ結果ハ第29表 乃至第34表 ニ見ル如 クニシテ.其 ノ殺菌作用ハ總べテ障碍セラ レ.而 モ其 ノ 程度又大ナリ。即チ殺菌力試験ノ結果得タル石炭酸係數ハ.Thymol19, Chlorthymol23,Jodthymo12.0,Carvacrol11,Chlorcarvacrol0.5,Carvasept2.5ニ シテ.Thymol及ビCarvacrolノ 被 ル殺菌力 ノ減弱度ハ.後 記 ノ人工糞便 ノ添加 ノ際 被 ル殺菌力 ノ障碍度 ヨ リ稍 〓著 シキモ ノナル ニ封 シ.Chlorthymol,Jodthymol Chlorcarvacrol等 ノ如キ「ハロゲ ン」置換盤ハ .其 ノ殺菌力 ノ減弱度殊 ニ著 シク.獨 リJodthymol