再生砕石のための安全管理マニュアル p9~p39 .doc
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第4 解体現場及び中間処理施設等における石綿含有建材の見分け方
はじめに
解体現場作業員や廃棄物中間処理施設作業員が自己の健康を守り、かつ石綿含有廃棄物の適正処理を推進する上で、石綿含有建材を見分けることは必要である。このマニュアルでは、そのための必要最低限の情報のみ取り上げた。
実際の家屋解体現場等において、現場作業員の石綿に対する認識は様々である。また、全ての建材にアスベストマークが付いていたら容易に見分けることは可能であるが、マークを付け始めたのは1989年7月(生産業者が自主的に押印、1995年以前は石綿含有率5%以上の製品、以後は1%以上の製品)以降であり、かつ、施工方法によっては裏面を確認することが難しい場合もあるため、必ずしも石綿含有建材を判別できるとは限らない。さらに、中間処理施設に至っては、既に破砕されている建材が多く、マークや製品番号等から石綿含有建材を判別することは不可能である。
このマニュアルでは、“現場でどのように石綿含有の有無を判断したらよいのか?”、現場作業員の判断の手助けになるように作成した。そのため、石綿含有量については不問とした。また、我々が現在所有する石綿含有建材及びその写真のみをまとめたものであるため、全ての種類の建材を網羅しているものではない。
1 石綿とは
石綿含有建材を見分けるためには、石綿についてある程度知る必要があるため、まず、石綿の基礎について説明する。
石綿は天然に存在する珪酸塩鉱物(MSixOy)であり、6種類ある(表1.1)。6種類の中でクリソタイルだけが蛇紋石族に属しており、その他は角閃石族に属している。
それらの化学式からわかるように、石綿の構造の中には水銀(Hg)、カドミウム(Cd)のような、有害な重金属は含まれていない。石綿の物理組成(形状)や化学組成が石綿の有害性に起因していると思われる。石綿は“奇跡の鉱物”と呼ばれるほど、優れた鉱物であり、その特徴を生かし様々な工業製品に使用されていた。アスベストの特徴としては、しなやかで糸に紡ぐことができ、布に織れる(紡織性)、引っ張りに強く切れにくい(抗張力が高い)、磨り減ることがない(耐摩耗性)、熱や音を吸収し遮断する(断熱性?防音性)、薬品に侵されない(耐薬品性)等の利点がある。また、その他の特徴として図1.1~1.3の写真に示したような“繊維束を形成している”という特徴がある。
現場での簡易判定法はこの繊維束を示すという特徴に着目した。図1に示した三種類の繊維は、これまでに入手した検体に含まれていた繊維である。写真からわかるように石綿繊維は非常に細い繊維が集合した繊維束としても存在している。
蛇紋石族に属するクリソタイル(図1.1)はその名の通り蛇のようにくねくねしており、角閃石族のクロシドライト及びアモサイトは(図1.2、1.3)は針のようにとがった様相である。
これまでに、建材中で観察したクリソタイルは、肉眼で観察することが難しいぐらい小さな繊維束から、大きな束まで色々あった。一方、クロシドライトやアモサイトは比較的長く、見やすい繊維束であった。クロシドライトの日本名は青石綿であるが、肉眼では黒色に見える。アモサイトは茶石綿であるが茶色といっても非常に薄い茶色で、白または透明に見える。
建材として、主に使用されていた石綿はクリソタイルであり、解体現場で見つかる石綿含有建材はクリソタイル含有建材がほとんどである。クロシドライトやアモサイトは石綿管及びクロシドライトは波板、アモサイトは耐火被覆板中で見つかった。これらの石綿はクリソタイルと混合して使用されている場合もある。
また、繊維束の有無を確認する以外では、耐火性に着目し、石綿繊維を燃焼する方法も考えられる。表1に示したように、クリソタイルの融点は最も高く、1521℃であり、ライターや我々が使用している簡易バーナー(1300℃)では熔けづらいことがわかる。一方、クロシドライトは1200℃なので、簡易バーナーで炙ると熔けやすいと考えられる。
この二つの特徴を生かし、判定に利用するとかなり高い確度で石綿含有の有無を調べることができる。
2 その他の情報
2.1 石綿建材の生産量
現場で石綿含有建材を探す場合、石綿建材の生産量を把握しておくことも大切である。そこで、日本石綿協会が公表している石綿含有建材の出荷量を面積(㎡)と重量(t)で示した。
(図2.1及び図2.2)。
図2.1石綿含有建材の出荷量(千m2)
図2.2 石綿含有建材の出荷量(トン)
図2.1及び図2.2から分かるように、主な石綿含有建材は波板、スレート、屋根瓦(コロニアル)、ケイ酸カルシウム板第一種、押出成型
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