ハイエンド鋳物原稿 1.doc
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05.12.4
EOCG 竹本英嗣
鋳造部品製作基礎講座 一日目 原稿
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講座の概要
今回の講座は鋳物部品を例に取り、部品製作についての一連の流れを学んでいただきます。 まず1日目には、砂型鋳物を題材とした鋳造の工程、およびそれらに対する機械加工を(映像資料を交えながら)説明します。 2日目には、鋳物の旋盤加工品、およびフライス加工品を例に取り、加工工程を意識した製作図を解説します。 そのほか鋳造設計特有のポイントなども解説します。
まず、鋳造について解説していきます。
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2.鋳造とは
鋳造とは、固体である金属を加熱し、溶解することによって流動性を持たせ、耐熱性を有する材料で作られた型に流し込んで凝固させることによって、任意の形状を得る製造方法の総称です。 また、このような工法によって得られた製品を、鋳物と呼びます。
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3.鋳造に用いる金属材料
ここでは鋳造に用いられる材料について、簡単に解説します。 興味を持たれた方は、ご自宅で勉強してください。
ねずみ鋳鉄(FCxxx)
最も一般的な鋳造材料です。 グラファイトが片状に入っており、破断面がねずみ色に見える為、こう呼ばれます。<ボタンを押すと、写真へ飛ぶ>
材質記号ですが、頭のFCがねずみ鋳鉄を、末尾の数値が引張強さを表します。
強度のレンジは、一般に10~35程度までです。
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鋳造性は良好で、片状のグラファイトが潤滑材としても作用するので、耐摩性も高いのが特徴です。 しかし脆いため、耐衝撃性が低く熱間加工にも不向きです。 工作機械のベッドや軸受のメタル、ピストンリング等に広く使用されています。
“鋳物は熱処理できない”と言われますが、浸炭などは可能です。また、後述するダクタイルを含め、引張強さ300[N/mm]以上のものは焼入れ焼き戻しも可能です。
ダクタイル鋳鉄(FCDxxx)
グラファイトが球状に入っているため、球状黒鉛鋳鉄とも呼ばれます。
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材質記号ですが、頭のFCDがダクタイル鋳鉄を、末尾の数値が引張強さを表します。
強度のレンジは、一般に40~70程度までです。
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ねずみ鋳鉄に比べて、伸びや耐衝撃性、耐熱性などの機械的性質が良好な、強靭な材料です。 また、鋳造性も良好です。 しかし減衰能が低いことや、凝固特性により大型の鋳物鋳造に不向きという欠点もあります。 強度、耐熱性を要求される自動車関連部品や薄肉で強靭さを要求される水道管等に用いられます。
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可鍛鋳鉄(FCM W(B,P)xxx)
古くから用いられてきた鋳造材料で、製造方法により白芯、黒芯、パーライトの種類があります。 ここでいう“可鍛”は、Malleableを直訳したもので、実際に鍛造はできません。 意味合い的には、ねずみ鋳鉄を基準にすると、多少脆さが改善されている程度と考えてください。
材質記号ですが、頭のFCMが可鍛鋳鉄を示し、その後の一文字が、白芯、黒芯、パーライトを表します。 末尾の数値は他と同様、引張強さを表します。
それぞれの特徴ですが、乱暴に表現すれば、黒芯はフェライト組織なので引張強さと伸びが良好、白芯は白洗、銑鉄の状態から表面を脱炭し、軟鋼のような組織にしたものなので溶接が可能、パーライトは名の通りパーライトが残っていますので、焼入れ焼き戻しが可能です。
用途としては、一般配管部品などに使用されます。
鋳鋼(SC(Mn)xxx)
鋳造材ですが、通常の炭素鋼や合金鋼と同様の性質を持っています。 材質記号ですが、頭のSCが鋳鋼を示します。 この後ろにMnHの記号が入れば高マンガン鋳鋼、Sであればステンレス鋳鋼、なければ炭素鋼鋳鋼となります。
強度のレンジは、一般に35~50程度までです。
鋳込み温度が高くて湯の流動性も低く、収縮も鋳鉄より大きいため、鋳造性が悪いです。 しかし、強度が必要かつ複雑な部品をワンボディーで実現できるなど、利点もあります。 炭素鋼鋳鋼はクランクシャフト等、従来は鍛造で製作していたような、複雑形状の機械部品に使用されます。 特に合金鋳鋼の中でも高マンガン鋳鋼は、オーステナイト組織の為加工硬化が大きいという特徴があります。 それを活かしてキャタピラや鉱石粉砕機の歯など、叩かれる用途に使用されます。
鋳造できること以外の金属的な性質は、ほぼ鋼と同じと考えられます。 例えば鋳造時の残留応力が大きいため、焼鈍などの後処理は必須となります。
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アルミニウム合
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