参照条文がサクッと調理できる!行政法仕組み解釈個別法の読み方.pdf
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【行政法】
参照条文がサクッと調理できる!
行政法仕組み解釈と個別法の読み方
1 個別法の読み方~総論~
行政法の試験で一番いやなこと,それは,参照条文をどう調理していいのか
わからない!ということでしょう。参照条文(規則以下,下位法令も含みます。)
がたくさん出てくると,どの条文に着目したらいいのか,着目すべき条文がわ
かったとしてその条文をどう解釈したらいいのか,わからないことがあると思
います。
今から,そもそもどの条文に着目すればいいのか,着目した条文をどう解釈
するのかについて,お伝えしていこうと思います。
(1) 類型別着目条文
処分性→ 処分性が争われている行為の要件・効果が定められている条文
を中心に見ていく
+
その行為が含まれている制度全体を把握する
原告適格→ 原告適格が争われている行為の要件が定められている条文を
中心に見ていく
↓
その条文を解釈する際に参考になる条文(後でお伝えします)
も,一緒に。
行政裁量(行政計画)→ 計画を定める際に必要とされる調査規定を確認
→ そこに考慮要素が載っている!
行政裁量(行政行為)→ その条文の趣旨を把握して,その条文の趣旨解釈
から導き出される考慮要素を重視
行政裁量(行政契約)→ 行政契約を規制する条文はざっくりとしてること
が多いです。とりあえず契約の相手方や,契約内容
について定める条文を探しましょう。
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本編
(2) 制度の把握の仕方
確かに着目すべき条文は各問題によりある程度は決まっています。ですが,
その条文に着目出来たとしても,その条文を正確に,その条文の趣旨から正確
に解釈できなければ,点数をがっちりとることはできません。
さて,行政法では「仕組み解釈」という解釈法をとらなければいかん!と言
われています。仕組み解釈とは何か。それは,ざっくり言うと,一つの条文を
それ単体で解釈するのではなく,制度の中での位置づけをとらえた上で,その
制度に沿うようにその条文を解釈することを言います。
制度の中での位置づけを把握しないと,当該条文を正確に解釈できません。
では,制度を把握するには,どうしたらいいのでしょうか?
あとから何個かの個別法を用いて練習しますので,詳しくはそちらでお話し
します。今言えるのは,まず①その法律は何のためにあるのか(たいていは何か
の問題が発生していて,それをなんとかするために法律があります)②法律がど
ういうアプローチでその問題に対応しようとしているのか(実際には,許可・認
可・特許などの権利を付与するタイプと,義務を賦課し違反者を罰するタイプ,
両方が混ざったタイプなどが想定できます)を条文から把握します。そして,③
時間の流れにそってどういう形で行政が(もしくは国民が)動くのかを図示する
ことになります。
①→ 目的規定から,いったいどんな問題に対処しようとしているのかについ
て想像してみよう
②→ 使われている処分の性質から,法律がどういう形でその問題がなくなる
ように,もしくはそもそも問題が発生しないようにしているのかを想像し
よう
③→ 制度はたいてい何個かの行政の行為が積み重なっているのが通常です。
どの行為の次に,どういう行為があるのか,その行為をするためにはどう
いう要件が必要なのか,図示して考えましょう。
辰已法律研究所
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